案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2026年2月23日月曜日

上武鉄道を訪ねた日

上武鉄道 1962年12月
あの頃の撮り歩きは、日帰りだと宿や移動の心配もなく、一日撮影を楽しむことが出来た。十二月のある日、蒸機がまだ動いているらしいと聞き、上武鉄道を訪ねてみた。よく晴れた暖かな一日で胸が自然に高鳴っていた。

八高線の丹荘に降り立ち、どんな列車が来るのかと待つ時間が楽しい。やがて現れたのは、最後尾に客車一両をつけた貨物列車だった。構内で貨車を切り離すと、奇妙な機関車は客車一両だけ牽いて引き返すのでそれに乗った。

列車が終着駅に到着すると、そこは西武化学の工場の内部だった。構内で見慣れない蒸機が何両か煙を吐いている。事務所で許可をもらい蒸機を求めて構内を自由に歩き回り、夢中でシャッターを切った。

あの頃は情報がなかった。行ってみなければ、何が居るのか分からない。そこに大きな楽しみがあった。今は事前に多くのことが分かる。便利で効率的になったが、あの時の胸の高鳴りは遠くなった。


埃に煙る桑畑を行く.


丹荘駅構内の片隅.


西武化学の構内.

この日に活躍していたアメリカンロコ.

1 件のコメント:

下北さわ さんのコメント...

毎回楽しく拝見しております。
昭和41年?に西武化学を訪問した際は蒸機3両健在ながら全車休車状態でした。アメロコ:国鉄2850形蒸機はその後、大森駅近くの線路脇にあった交通公園に保存され、後に公園移転に伴い移設・現存していますね。
見分に訪れた際にサイドタンクに繋ぎ目を見付けて少し落胆した覚えがあり移設時に車体を一部切断/再溶接した様でした。
品川区東品川3丁目14−9 東品川公園
https://shinagawa-kanko.or.jp/spot/higashishinagawapark/
下記でGoogle検索して出る地点から公園内の現在の姿が見られます。
35.6148332,139.7460827