facebookのグループで「地方私鉄 昨日・今日・明日」を管理されている方の「地方私鉄1960年代の回想」書評を紹介させていただきます。4月10日の配本直後にfacebookに投稿された書評と写真で、ありがとうございました。
[4月14日FB投稿より]
待望の写真集「地方私鉄1960年代の回想」をついに手に入れました。正式の発売日は20日のようですが、書泉グランデでは、すでに店頭に並んでいます。
著者はFacebookでもおなじみの風間克美さん。
ここには32路線が収録されていますが、そのほとんどは1960〜70年代のモータリゼーションの波の前に姿を消した路線で、今もその一部が何らかの形で残っているのは上田丸子電鉄、熊本市交通局、熊本電気鉄道の3社に過ぎません。
私が地方私鉄を積極的に回るようになったのは1970年代後半で、残念ながらこの本に収録されている路線の大半を私は見ることができませんでした。
しかし、この本のページを繰っていると、ありありと当時の地方私鉄の息吹を感じることができます。
筆者も書いておられますが、この本には北海道の私鉄が収録されていません。当時の北海道には多くの炭砿鉄道に古典蒸機が健在だったわけですが、筆者はすでに多くの同好の士が記録されている北海道の蒸気機関車を、ご自分の撮影の対象から、あえて除外しました。限られた時間の中で、撮影対象を絞り込んだ思い切りがこの写真集に結実しています。
もう一つの思い切りといえば、この写真集には、車両本位の記録写真がとても少ないのです。筆者は模型製作の資料として写真撮影を始めたとおっしゃっていますから、実際には車両の記録写真も多数撮影しておられるでしょう。しかし、この写真集に収められている写真は、生活の中に生きる鉄道を記録した写真がほとんどです。そこには当時の人々のありのままの生活が鮮やかに切り取られています。
今も、鉄道を写真の対象にする方の中には、人物が写り込むことを極端に嫌う方がいますが、鉄道は利用者あってのもの。今私たちが撮っている写真を50年後の人が見たとき、どんな写真を面白いと感じるのか、そんなことも考えさせられます。
地方私鉄を愛する方、すべての方に手にとっていただきたい写真集です。 以上
ここで投稿にお答えしますと、美しい車両の写真は駅や車庫で沢山撮ってあります。軽便などは面白いのでブログでも結構使っていますが、どんな車両写真も資料写真に過ぎません。ということで今回の本では、車両写真は投稿にあった通りで極力避けてあります。
私はその路線の車両を解剖するがごとく全形式の写真を羅列(暴露)し、履歴、構造特徴の解説つきをFacebookで見ると一辺に熱が醒めてしまいます。模型製作に車両写真は役立ちますが、模型は今やっていないので車両写真と解説は原典(台帳)となる鉄ピクの「私鉄車両めぐり」が手元にあれば十分です。
その車両がどんな風景やどんな生活の中を走ってきたのか、車両が生きていた時代を見たいです。人物に例えれば、スタジオで撮った美しい人物よりも、日常の生活感溢れる人物を見たい。
ブログでも紹介しましたが、茨城の水浜電車もこれまで車両写真ばかりで、その魅力に気がつかなかったのですが、友人の写真で素晴らしい水浜電車の世界を50年後に初めて知りました。
見開きで掲載予定であった画像を初公開します。熊本電鉄 早朝の菊池駅 1967.3.6
ページ数の関係で下巻に掲載できなかったのが残念です。
見開きに使うにはこれでも車両が大き過ぎです。