花巻電鉄軌道線の終点、西鉛温泉。そこにあったのは、駅舎もなくただホームが一つあるだけの、静かな終着駅だった。すぐ脇の砂利道を埃舞い上げて一台のトラックが通り過ぎていく。駅前には一台のバスが停まっており、待合室の看板に「愛燐館」の名が見える。おそらく、このバスで温泉客が宿へと向かうのだろう。
あれから61年、この「愛燐館」に先日宿泊した方から数日前の宿の写真が届いた。かつての素朴な風景から今の立派な旅館まで年月が流れても、この地の風景は変わらず旅人を迎えてくれているのだろう。
1964.8.2
鉛温泉側から見た線路の先が終着駅.山あいを流れる豊沢川に沿って温泉宿が点在している.駅を降りて温泉へ向かって道路を歩いている人の姿が見え、宿は近そうだ.
以下のカラー写真 撮影:赤鬼さん
4 件のコメント:
こんにちは、私は平成13年11月から3カ月間だけ大沢温泉付近で仕事をしていました。大沢温泉や志戸平温泉の前の広い駐車場を見て、かつて花巻電鉄の駅があった頃に思いをはせました。
仕事が終わると鉛温泉の立って入る温泉に良く入りに行っていました。あんまり頻繁に来るから売店のご年配のご婦人からどこか体が悪いのか?と心配されました。
西鉛温泉付近の愛燐館は当時はコンパニオンさんが来るような娯楽メインの旅館だったので、行った事はありません。職場のドライバーさんがかつて花巻電鉄の運転士だったらしいと聞きましたが、ついぞ確認しないままだったのは今になってはちょっと残念な気がします。
鉛線の終点西鉛温泉には確かに行ってるのですが、手元に写真残っていません。線路一本で機回し線も無く、鉛温泉でのトレーラーの解結シーンが印象に残っているのと、鉛温泉に帰る電車がポールを下ろして惰力で下っていくのにびっくりしました、今なら法規違反確実ですね。
U-BOATさん
体験報告ありがとうございました。豊沢川沿いにある温泉郷に泊まると軌道線の様々なことが浮かんでくるのでしょう。温泉宿や道路は変貌しても豊沢川と周辺の山並みは昔と変わらないのでしょう。それが花巻の魅力だと思います。
Cedarさん
西鉛温泉から鉛温泉までポール下したまま惰性で下って行く愉快な話、初めて知りました。鉛温泉駅で客車を連結する時にポール上げ下げがあるのでやっていたのでしょうね。
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