案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2025年3月7日金曜日

ヒギンスさんの写真展

昭和30年代の鉄道情景の素晴らしさを捉えたヒギンスさんの写真展。
明後日9日迄です。各社の車両カラーリングが魅力溢れていた時代。


・開催期間  2025年3月1日(土曜日)~3月9日(日曜日)

・開催時間 期間中の 10時~ 18時(入場無料)

・開催場所 東京都北区田端6 -1 -1 田端 ASUKAタワー 17階会議室
(山手線・京浜東北線 田端駅北口から徒歩1分)

https://photo-pub.co.jp/pg202503.html



2025年3月3日月曜日

淡路の魅力

時代が経つにつれ、淡路の失われた時代の魅力が益々強くなって来る。
淡路で最も印象深かったことを書いた記事の3回目。

過去記事より。
「淡路交通 昭和40年の洲本(3)」    公開日 2015.2.13
 
❼大衆旅館
バスが洲本駅に到着すると直ぐに宿さがしで駅前をぶらついた。どうやら駅前にある旅館は観光客向けではなくどれも素泊まりだと600円の割烹旅館であった。割烹旅館はちょっと小奇麗で我々向けではないので、さらに探すと大衆旅館というのが目にとまった。おそらく洲本では最低の部類と思われる佇まいで旅館の感じは全くなく周りの民家と同じようであった。交渉すると二食付き650円(素泊まり350円)である。宿はここに決めて荷物を預けたが、おかみさんの大声が何を言っているのかどうも方言でよくわからない。

一日、真夏の沿線撮影をして夕方宿に戻ると2階の一室に通された。ひどい部屋で置物もなければ掃除もろくにしていないようなただ寝るだけの物置のような部屋。二部屋あって一部屋に電球がないのには驚いた。もう一部屋だけに薄暗い裸電球が燈っていた。

夕食付であったが、なんと近所の食堂からの取り寄せであった。こんな宿は初めてでどうやらフロもないらしい。外から配達された夕食は山盛りのチャーハンであったが空腹にもかかわらずノドを通らなかった。
夕食後、宿の前にある銭湯に入ったがこれがまた独特の雰囲気。せせこましい銭湯で電気も薄暗く浴場が汚らしく見える。それでもきたない旅館の浴場よりはマシだったかもしれない。銭湯に来る地元の客はみな真っ黒に日焼けし、わが身がばかに白くて弱々しく見えたものだった。
当時の淡路の観光客は大抵「ホテル淡交」1500~3500円のような観光ホテルに泊ったことでしょう。鉄ちゃんが泊まる宿として観光ホテルは対象外で、この時の大衆旅館は汚さも度が過ぎたがむしろ洲本の懐かしい思い出となった。

島の電車の洲本駅近くの旅館に一泊した時の写真がなく、ストリートビューで今の洲本を巡ってみました。道路が広くなり町並みがすっかり綺麗になり、昔のあのすごい光景は全て建替えかと思ったところ、意外や昔をしのぶ建物も僅かに残っているようです。すごい宿や銭湯があったところには今マンションが建っているようです。

Googleストリートビュー 今の洲本

淡路の魅力

 時代が経つにつれ、淡路の失われた時代の魅力が益々強くなって来る。
淡路で最も印象深かったことを書いた記事の1回目。

過去記事より。
「淡路交通 昭和40年の洲本(1)」 公開日 2015.2.6 

島の電車で断片的に淡路島のことを取り上げてきましたが、今回は洲本の街に限定してこれまでの写真を再調整して整理してみます。

明石港~岩屋港経由して急行バスで遠路はるばる到着した洲本の街(昭和40年)の印象は、予想外に開けていたが大都市とは明らかに違っていてゴチャゴチャした街の風情に堪らない魅力があった。今では全国至るところ統一化されて殺風景になってしまったが、洲本の訪問記録を読み返してみるとこの時代ならではの凄い光景があった。一種独特の雰囲気、こんな風景を写真に記録してなかったことが惜しまれる。

❶三熊山山頂から見た洲本の街全景 1965年8月
淡路交通の電車が出ている洲本。街並みの向こう船着場から関西汽船や南海汽船の航路が神戸や深日と洲本を結んでいる。

❷洲本の漁港の光景 三熊山をのぞむ. 

❸洲本港 洲本~和歌山深日や洲本~大阪・神戸間を結んでいた.
和歌山経由で来た観光客をここで島めぐりバスが迎える.

❹観光客向相手の大通りで大浜公園、三熊山方面へ向う.



右に向かうと洲本駅電車のりばに出る.大通りには大衆食堂、酒場、喫茶、みやげ物店が軒を連ねている.ちょうど淡路島まつりで8月3日は盆踊り大会、どこからか盆踊りの音楽が賑やかに響いていた.
❺淡路交通電車バスのりば
洲本観光会館について。洲本の交通センターにあり一階喫茶室、二階特別食堂、大食堂、売店などで三階屋上には観光座があって島情緒豊かな淡路人形芝居を上演している(淡路交通パンフレットより)
この会館は殆どバス客向けに作られたようなもので電車の駅については何も触れていない。駅は立派な会館の一階の一遇を借りているに過ぎない感じであった。

➏洲本駅
➏洲本駅

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