鶴見線の駅で見た日本鋼管鶴見の蒸機は、前回のボールドウィン古典機10号と有名な珍品古典機クラウス12号、そして協三工業製18号であった。撮影場所が不明確であったが訪問記を見つけ鶴見線浅野と弁天橋で撮ったことが判った。
訪問記より。
扇町の三井埠頭を引きあげて鶴見線浅野に向かった。この辺はクモの巣ごとくレールが敷かれさっぱり分からない。駅のそばに置いてあった産業用SL(日本鋼管18号機)を撮り、弁天橋へ向かった。鶴見線と工場専用線が並行して走るので駅は絶好の撮影場所であった。弁天橋で電車を降りたとたん遠くにカン高いホイッスルの音が聞こえ怪しげなSLがこっちにやって来た! 目を開けてよく見るとあの1Bのクラウスであるのには驚いた。そしておまけにもう1両やってきたのはあのボールドウィンであった。
どんよりとした天気が不満であったがこの幸運に大満足して引きあげた。
弁天橋に現れたクラウス12号機。この珍品中の珍品は、クラウス1907(明治40)年製で青梅鉄道が改軌に備えた1B形タンク4両の1両が日本鋼管鶴見製鉄造船12号機となった。煙突より後ろの位置に先輪があり、シリンダーがさらに後方にずれ缶だけが先走った姿をしていた。
(臼井茂信著: 機関車の系譜図2の記述より)

カン高いホイッスルを鳴らし現れたクラウス12号機

日本鋼管 12号機 弁天橋 1964.12.25

引き続き熔銑車2両を牽いて現れたのはボールドウィンCタンクで10号機であることが写真で判る。このボールドウィンは9号と10号があり同タイプのようで明治村へ行ったのが9号機らしい?
日本鋼管鶴見の内部に入って調査された田辺幸男様のサイトに9号機の銘板(ボールドウィン製番)の写真があり9号機の製番37944は明確になっている。
元は富士身延鉄道1~3号で、その2号と3号が日本鋼管鶴見の10号と9号になったらしい。
日本鋼管鶴見の内部に入って調査された田辺幸男様のサイトに9号機の銘板(ボールドウィン製番)の写真があり9号機の製番37944は明確になっている。
元は富士身延鉄道1~3号で、その2号と3号が日本鋼管鶴見の10号と9号になったらしい。

熔銑車を2両牽いてやってきたボールドウィン10号機

日本鋼管 10号機 弁天橋 1964.12.25

浅野で見た産業用機関車は協三工業製28トン機で、日本鋼管鶴見製鉄所の18、19号機として1951(昭和26)年に製造された。協三で製造した最大(重量)の機関車である。
(臼井茂信著: 機関車の系譜図3による)
(臼井茂信著: 機関車の系譜図3による)

日本鋼管 18号機 浅野 1964.12.25

