案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2015年6月22日月曜日

日光軌道線 国鉄駅前のループ線

1964(昭和39)年に廃止された国鉄日光駅前のループ線。軌道線ならではの急カーブで駅前に敷き回されたループ線は軽便鉄道の線路のような楽しさがあり気になるところ。青蛙、田辺両氏が撮った写真とループ線図とをつけ合わせてみました。

東京オリンピックが開催された昭和39年、観光都市日光の表玄関に古びた路面電車がたむろしていたのではみっともないが廃止理由の一つだったようです。今だったら日光にふさわしい光景になるのですが。
東武日光駅前の軌道線「のりば」の方はどこから乗っていたのか時代とともに変化したようです。
そして超急カーブの軌道線に国鉄貨車が入ってくる貨物線をうまく配置させたものですね。

国鉄日光駅前のループ線. はおおよその撮影位置を示す

撮影  A 青蛙氏   T 田辺氏

 1963年7月 A
東武日光の駅の脇に軌道線ホームがあり貨物線につながる.右手軌道がループ線につながる.

 1967年12月 T
東武日光駅脇の軌道線のりば

③ 1963年7月  A
日光業務部建屋の先にある留置線(旧車庫).背後に歓迎日光のアーチが見える.

 1968年2月  A
東武日光駅の先を国鉄日光駅に延びる貨物線(左手)とループ線(右手)

➄ 1963年7月  A
国鉄日光駅前.写真の感じと違って軌道と駅舎の間にはかなりスペースがある.

  1964年7月  T
国鉄日光駅前.歓迎日光市のアーチがある道路を直進すると東武日光駅に出る.

 1964年7月  T
国鉄日光駅前を発車した電車は商店の片隅を縫って東武日光駅に向かう.

1967年12月  T
かっては日光駅前で軌道線に乗れば素晴らしき山岳路面電車の世界に引きずり込んでくれた。小学生時代に初の修学旅行でこの軌道線に乗った子供達にどんな思い出が残されたでしょうか。昭和30年頃に「いろは坂」が改修され私の時代の修学旅行は上までバス利用だったようでたいした思い出も残っていない。

8 件のコメント:

宵闇 さんのコメント...

最後の写真を拝見しましたが、こんなに素晴らしく雄大な景色を走っていた路面電車もここだけのような気がしますね。これは是非とも復活を願いたくなります。

katsu さんのコメント...

宵闇さん
こんな景色はここだけでしたか。
そう言われるとそうかも知れません。
私は日光軌道線の新型車にあまり関心無かったせいか訪問してなかったのですが
当時の写真を見て今になってその魅力を感じてきました。
バスや自家用車で中禅寺湖まで登ってもたいして感動はないけど
時間かけて路面電車とケーブルカーを利用して日光観光をしたら
交通手段そのものが思い出深いものものになるのかも知れません。
新宿からスペーシアに乗って路面電車観光なんてどんなに楽しいことでしょうか。

kak さんのコメント...

国鉄日光駅前の様子が良く分かりますね。
⑦では、手前に軌道を埋めた様な跡がありますので、
昔はもっと国鉄の駅に近いところを走っていたのかもしれません。

katsu さんのコメント...

ピクの昭和30年過ぎ頃の駅前写真では写真⑥のように広々としていました。
ところがこの写真⑥の1年前に撮った写真➄が国鉄日光駅舎に近く見えるのが不思議です。

kak さんのコメント...

日光駅における、国鉄・東武との連絡線は、電気機関車及び国鉄直通貨物の為に敷いたものですね。
それ以前も、自社の電動貨車で貨物輸送を行っていましたから、日光駅前の何か線路を埋めた様な痕は、
電動貨車が広場を通り抜け、宇都宮側の場所で、国鉄と貨物の移し替えをしていた名残かもしれないと、考えました。

katsu さんのコメント...

鉄ピク私鉄車両めぐりによれば、昭和19年の国鉄貨車乗り入れ以前は大量のL型電動貨車がいて専用貨車を牽いていたのですね。面白いのは単端式のため方向転換は日光駅前のループ、清滝の三角線でやったそうです。あの急カーブの日光駅ループ線を小型貨物列車が走っていたとは実に愉快ですね。
廃線まで電車庫にいたL型電動貨車は戦前までそんな活躍の時代があったのですね。

kak さんのコメント...

レイル・マガジンの「編集長敬白」で丁度日光軌道を取り上げていますね。
こちらに触発されたのでしょうか(笑)

http://rail.hobidas.com/blog/natori/

katsu さんのコメント...

kakさん
お知らせ下さりありがとうございました。
気がつきませんでした。
facebookでは「ブログ日光軌道線これでおしまい」を宣言したのですが、
まだまだ素晴らしい画像がいろいろありますので続編をやりたいと思っています。