案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2015年5月21日木曜日

仙北鉄道

廃線迫る昭和41年の元気な仙北鉄道。
佐沼駅で私たちと別れた田辺さんがその後撮ったのはこんな風景だった。
小さな西郷駅の周辺は一面の田んぼ。
初春の日差しの中を仙北鉄道の気動車が飛ばす。
よく手入れされた立派な軌道だ。

仙北鉄道 廃線前の活気

撮影: 田辺多知夫氏
この日卒業式だったのでしょうか. 1966.03.01  西郷 

一面田んぼの中を行く列車  西郷-沼崎下

米谷-小島

バケットにも客が満載   米谷-小島

盛んにやってきたDC103が牽く貨物列車    米谷-小島

2015年5月8日金曜日

秋田市電 交通局車庫にいた車両

交通局車庫で撮った写真を見るとこれは凄い!  廃線間際にまだこんな車両が存在していた。

元都電杉並線や元王子電軌の払下げ車体を受け組み立てた電車、さらに元旭川市街軌道の単車など貴重な車両ばかり、どれもポールを挙げていることからラッシュ時はこんな古典車が活躍していたのだろう。秋田市電といえば平凡な60形や200形をイメージしてしまうが、最後までこんな魅力的な古典車が存在していたトロリーラインなのであった。

撮影: 1965.07.30 故田辺多知夫氏

 30形(31・32) 交通局車庫
S28年に都電杉並線2000形車体(鋼体化)を譲受し組み立てた

鋼体化後だがダブルルーフ木造車時代のイメージを残している

20型(20~26) S23年に旭川市街軌道から4両を譲受

30型(33~35) S28年に都電150型(元王子電軌)の車体を譲受し組み立てた

 元王子電軌の整った外観の電車が秋田の街並みを行く

参考: 鉄道ピクトリアル 臨時増刊私鉄車両めぐり(第3分冊) 鉄道図書刊行会
昭和の路面電車(関東・甲信越編) 生方良雄著 講談社

2015年5月4日月曜日

福井鉄道の魅力 南越線の車両

国鉄武生駅の脇から出ていた福井鉄道南越線は本線福武線とは線路が接続してないため、本線との共用車両はなかったようで、個性豊かな車両が溢れていた。南越線始発駅「社武生」駅に出入りする車両を捉えたカットであるがこの路線の奥に行けば更に珍品電車がいたことだろう。

撮影日:1964.10.04 撮影:故田辺多知夫氏 社武生駅にて

トレーラを牽いて社武生に到着するモハ132


寄せ集め部品で作ったような最新型モハ132

モハ111の個性溢れる姿は正に田舎電車

社武生駅風景 モハ111

モハ51+モハ102(元京浜急行)1964年廃車
電装解除されて小さなモハ51に牽かれていたのだろうか

 国鉄武生駅を背景にしたデワ1
 デキ11になって現存するが、それとは全くイメージが違っていた頃のデワ1

モハに牽かれていた木造客車ハ2