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高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2012年6月30日土曜日

淡路交通 島の電車 車両編2

次は元ガソリンカー改造の電車と、その他の電車です。
カルダン駆動の電車については2010年7月17日「ガソリンカー改造の電車」で取上げてあります。

モハ2008 垂直カルダン駆動車  宇山  1965.08.02
このモータ&減速機ユニットを開発した神鋼電機(旧社名)は最近までバッテリ式産業車両の業界では自社開発の電機品に優れる先駆的メーカでもあった。当時開発された動力ユニットを淡路交通が購入し宇山工場でDT10台車に試作的に組み込んだのでしょう。

モハ2007 直角カルダン駆動車  宇山
宇山工場で床下吊下げのエンジンを2個のモータに換えて
プロペラシャフトで駆動する方式はまるで模型のよう。


モハ2009  これも直角カルダン駆動車  長田
外観にガソリンカーの面影をよく残している.



モハ2006  宇山
プロペラシャフト駆動をやめて、普通の釣り掛け式駆動のブリル台車に履き替えた.
側面はキハニ当時の3扉のままで角ばったスタイルで、他の3両とは全くイメージが異なる。

クハ112   ガソリンカーのクハ化  宇山

クハ111  ガソリンカーのクハ化  宇山

モハ610+モハ609   長田  クリックで拡大
元阪神小型車の車体を譲り受け、手持ちの台車を組込んだそうで、
2両の台車をよく見てみるとボールドウィンとブリルとバラバラなのが楽しいところ。
夏休み8月2日の月曜日、福良へ向かう車内はけっこう賑わっていた.
福良港から四国へ渡る連絡船や鳴門観潮船に向かう人達なのでしょう。


モニ500  元国電モヤ4003    宇山

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>床下吊下げのエンジンを2個のモータに換えて
>プロペラシャフトで駆動する方式

走行中の音、どんな音がするんでしょうねぇ。
興味があります。

katsu さんのコメント...

匿名さん、
そうですねきっと楽しい音がしたのでしょう。
残念ながら当時私は余り関心がなくて音の確認まではしませんでした。
今思えば残念な事をしました。
エンジンと違って騒音の少ないモータだと伝達系の騒音が
かなり目立ったのではと想像してしまいます。

T.F さんのコメント...

淡路交通は、昭和40年6月20日、高校生の時一度だけ訪れました。京都に住んでいましたので、80系の快速電車で元町まで行き、徒歩10分の関西汽船のりばから8時30分出港の洲本行に乗船し、帰りは洲本16時30分発神戸行に乗船しています。神戸~洲本間の所要時間は2時間でしたので約6時間の滞在で、宇山車庫、長田駅、賀集駅等で撮影しています。
当日走っていた電車は、モハ2006+クハ111、モハ2002+クハ112、モハ610+モハ609、モハ1010+モハ1011と全部2連で日曜日のため乗った電車は観光客で満員の盛況でした。この日は普段モハ1003と編成を組んでいるモハ2009が検査入場中した。
不思議なのはモハ2002で、どの文献を見ても昭和29年鋼体化改造としか書いておらず、シル、ヘッダーの形状、リベット等から車体新製とはとても思えません。katsu様の言われるように元ガソリンカーとも考えてみたのですが、車体構造を見ると一寸疑問が残ります。
島という特殊性もあり廃止後再起したのは、モハ1010+モハ1011が水間鉄道に行きモハ362+モハ363となったのみでした。当時水間鉄道では、輸送力増強のため単行主体運行の2連化を進めており、モハ362+モハ363の他に、元南海電鉄の簡易半鋼製車のモハ361+クハ381と、元高野山電気鉄道→南海電鉄のモハ365+モハ364の2連が3本在籍(その他に単行用のモハ251とモハ252が在籍)しており、ほぼ終日2本使用していました。水間鉄道は3回行きましたが、走っていたのは3回とも元淡路と元高野山でした。昭和46年から車種統一のため南海からモハ1201形が入線して在来車を一掃したため、在籍期間は僅か4年でした。

katsu さんのコメント...

T.Fさん
DRFC掲示板でT.Fさんや乙訓の老人さま等の貴重な淡路交通の記事を以前から拝見しています。
T.Fさんが訪問されたのは私達の1ヵ月半前だったのですね。私達は大阪から朝の80系快速で明石へ向かい、明石港から岩屋へ渡り、岩屋からバスで洲本へ向かいましたが洲本が随分遠く感じたものです。
この時は元阪神のモハ610+モハ609が塗りたてでピカピカの新車のようでした。不思議なモハ2002は1002のことだと思いますが、改造前の前面2窓の風貌が正にガソリンカーと思いましたが側面は古電車車体のようなイメージもします。このモハ1002は外観のバランスが「何か変」でとても印象深く大好きな電車です。
またモハ1010+モハ1011は模型のような楽しい電車で、手元にMCB台車(0番)があるので何とか模型にしてみたいと思っています。
DRFC掲示板では淡路のモハ1005のカラー写真や神鋼電機の垂直カルダン断面図他、いろいろ良いものを見せて頂きました。

chitetsu さんのコメント...

淡路の電車、自分には未知の世界ですが、個性ゆたかな車両達は大変に魅力的ですね。
上田丸子もそうですが、ガソリンカー改造の電車には独特の魅力を放つ要素がある気がします。その上カルダン駆動というのは本当に見て、音も聞いて見たかったです。
タイムマシンが欲しいな〜、です。
電車に写り込んだ沿線の素朴な風景も良いですね。
拝見していて淡路風電車が作りたくなってきました。

katsu さんのコメント...

chitetsuさんが淡路風電車を模型で作るとしたら、
淡路交通のスケールモデルではなく実物の淡路交通で行われたような
車両改装のやり方をchitetsuさんの中越地方私鉄に取り入れるとか、
淡路交通から転籍した車両を想定して中越仕様に改装したりとかになるのでしょう。
たんなる自由型とは全く次元が違う模型の楽しみ方が素晴らしいです。