案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2025年6月9日月曜日

真夏の金平

タイトルバックを変えました。
この写真は尾小屋行列車の2軸客車オープンデッキから撮った金平です。今日の鹿部電鉄さんのコメントにあったように確かに線路がヨレヨレナローではなく立派に見えます。草が生えていない。



金平 1962.8.1


この写真から十年後、静かな金平駅にも変化の波が押し寄せていた。1970年代初頭、ディスカバー・ジャパンの旅ブームとSLブームが重なり、鉄道は再発見の対象となった。ナローゲージの趣味の世界に目覚めた高校生や大学生たちが、カメラ片手にこの地にも足を運んだという。

木造の小屋と給水塔、軌道に沿った田の広がり──そんな風景に、彼らはどこか懐かしさと夢を重ねていたのだろう。鉄道写真、ナロー鉄道模型、そして音楽──多くの若者が自分の居場所を探し続けた、1970年代初頭はそんな趣味の大転換期だった。


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