案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2020年8月12日水曜日

浅野川線の七ッ屋

昭和39年、金沢駅前で浅野川線に乗って一つ目の七ッ屋は、小さな検車庫と奇妙な駅舎があって興味深い一角であった。検車庫が内灘に移転した後の七ッ屋はホームと待合室だけの殺風景な駅になってしまった。

前回の七ッ屋車庫の紹介
前回の七ッ屋駅の紹介

撮影:1964.12.31
 とても味わい深い七ッ屋の駅舎。 

内灘へ移転前の七ッ屋の検車庫。
正面に丸い浅野川電鉄時代の社紋が見える。モハ3561は加南線の1810形(旧温泉電軌)を改造したスタイルだが、元は加南線モハ1813であった。ではなかった
前々日に撮った加南線モハ1813は二代目1813でした。山代

七ッ屋の検車庫全景
駅と車庫のある線路配置を書いてみたくなる模型的な一角である。

写真から推定した構内配線図その3(未完)です。

浅野川線 北鉄金沢駅の地下化と移動による新旧カーブの違い(作成中)

車庫の奥にいた廃車になった2軸電車。

9 件のコメント:

代打・山本 さんのコメント...

3561の種車であるはずの1813が2日前に加南線にいたのはこんなカラクリがあります。
1813は1963年2月に石川総線へ異動し、書類上は4月に加南線へ戻ったことになっていますが、実際には加南線へは戻らずに浅野川線へ移り、1813のまま使われたのを経て3561に改造され、7月に再デビューしました。
3561の書類上の種車である1815は加南線にいたまま車体標記を書き換えて1813になりすまし、1971年の廃線まで過ごしました。風間様が撮影されたのもこの「二代目1813」です。
昔は北鉄に限らずこんな例があちこちにあったようですね。

katsu さんのコメント...

代打・山本さん
早速、ご教授ありがとうございました。
寺田さんの本の加南線にあった元温泉電軌一覧表を見ると
確かに1813と1813(Ⅱ)がありました。
初代1813が浅野川線に行ったわけですね。
いや~ほんとうに北陸鉄道は複雑ですね。

今日は別の原稿で1813が走っている加南線のことを書いていたので、
浅野川線で余計なことを書いてしまいました。
早速ブログを訂正させてもらいました。

ED4012 さんのコメント...

この駅舎は本当に独特の佇まいで、一度見たら忘れません。
狭い敷地に目一杯建てたせいで窮屈な印象ですが、それでも随所に凝った飾りがあったりして合理化一辺倒の現在とは違うプライドのようなものが感じられます。
電車の奇奇怪怪さは言わずもがなですね。

katsu さんのコメント...

ED4012さん
先日の貴ブログで取り上げた七ッ屋の写真に堪らず私もアップしてしまいました。
七ッ屋の線路配置をこれから更に仕上げていく予定です。
現在の浅野川線のアンダークロスからのカーブはとてもシンプルで当時のカーブとはどうも違うようです。
貴ブログの下から3と4番目の写真から、今の駅と違って当時はホームが車庫側にあったのかも知れません??
奇奇怪怪々な北陸鉄道は謎解きでいつも楽しませてくれますね。

esehoku さんのコメント...

確か現在の七ツ屋駅は、当時の面影は全くなくなってしまったと思いますが、どことなく上田丸子の上田原駅と同じようなものを感じます。どこか似ていないでしょうか? 雑然としていた構内がすっかり整理されて綺麗になったけど、やはり一抹の寂しさを覚えるという点でも。
この当時の七ツ屋は、車庫に浅野川電気鉄道の社紋が残っていたのも、事情を知っていると(確か強引な戦時統合で、別件逮捕みたいなドサクサで北鉄への合併が成されたとか…)、何か浅電の意地を見たような気もしますが…おそらくそんな大層なものものではなく、別に気にしないだけだったんでしょうね…。

esehoku さんのコメント...

連投すみません。
七ツ屋駅の構内図ですが、ひょっとして近々TMS誌に載るのでしょうか?

それから、本編と直接関係ない事ですみませんが、2代目1813の「顔」について以前コメントいたしましたが…よく見ると、縦筋汚れと、スノープロウが何かを取り付けるバーが縦に伸びていたのですね。
あの北鉄の事ですから(失礼…)、正面中央の痛んだ部分に、鉄板が何かを縦に貼ったために「あんな顔」になったものだとばかり思っていました。

katsu さんのコメント...

esehokuさん
今の七ッ屋駅は無駄を排除して綺麗サッパリと過去が消えていますね。
どこの地方私鉄でも同じだと思います。

この構内図はこれから謎解きをして補正していきます。
早速、ホームが車庫の反対側であるのが判明しました。
七ッ屋は今のところTMS掲載の予定はありません。
金石線中橋やこの七ッ屋の構内は線路のカーブが微妙なところが魅力的です。
こんな構内図を作るのは楽しいけど厄介な部類です。

Cedar さんのコメント...

配線図修正されましたね。鯨川君がこちらに「配線教えろ」とメールしてきたので「Katsuさんにお願いせい」と返しておきました。北鉄金沢の国鉄連絡線の配線は記憶にあるのですが、七ツ屋は×でした。

katsu さんのコメント...

Cedarさん
S37年航空写真で国鉄下の浅野川線クロス部分のカーブを割出していたら北鉄金沢駅まで手を出して大失敗。
七ツ屋の構内配線図は国鉄下からの微妙なカーブと直線を航空写真から仕上げる予定。
鯨川さんにシーナリー・セクションを作ってもらいたいものです。
廃車体と車輪が並ぶ検車庫脇の線路などはまさに模型の世界。