案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2018年5月21日月曜日

能登の漁港に近い小さな駅

人も民家もカットされた風光明媚なお立台の素晴らしい写真を何十枚見るより、今になってみると、こんなジオラマの題材のような写真をじっくり見る方が楽しい。

北陸鉄道能登線が羽咋を発車して二つ目の「滝」、何でこんな駅を撮ったのかは記憶が定かでない。

能登の漁港の近くにあった小さな駅「滝」は、ガンガン照りの太陽の下いかにも真夏らしい風景で、列車が来るまで静まり返っていた。

言われてみて気付いたが、踏切標識、電柱、警告看板などいろんなものが傾いていた。こんな傾きも気にしない社会であった。

草むした構内で遊んでいる子供たち。
未舗装で真っ白に乾いた道路を、日傘を差して歩く女性が二人。
道路沿いの傾いた電柱に裸電球の街灯が一つ。
生い茂った草に埋もれてしまいそうなホーム。
踏切に立ててある線路通行禁止の看板。これも傾いている。
スプリングポイントの向こうに拡がる駅。
駅の周りに並ぶ古めかしい昭和30年代の民家。

撮影1962.08.02

真夏の炎天下、港町にある草生した駅は静まり返って潮の香りが漂ってきそう。海がすぐそばに。
 
駅に人影はなく無人駅と思ったが滝駅の切符を買ってあった。


やがてやって来たのは片側バケット付の気動車キハ5201。踏切標識が大きく傾いていても気にしない社会。滝駅を過ぎると車窓一面に能登の海が開ける。

これらの写真を見ると漁港との位置関係を地図で調べたくなるものです。

廃線跡は129号線道路ではなく、その奥のきれいなカーブと直線を残す自転車道が軌道跡でしょう。踏切の位置からすると滝駅はこのあたりにあったと推測される。

鉄コレのキハ5201が走る漁港のジオラマが目に浮かぶ。

この辺りで前方に海が開ける。海沿いへ向かう線路跡がサイクリングロードとしてはっきり残っている。

4 件のコメント:

代打・山本 さんのコメント...

滝駅の位置はご賢察のとおりで、駅舎は海側にありました。
開業時は海岸に沿って線路が敷かれていたようですが、のちに半島状になった部分が埋め立てられています。

いつかは海岸沿いの松林の中を走るNゲージのジオラマを作りたいと思っています。

katsu さんのコメント...

代打・山本さん

当時、滝は小さな漁村だったようですね。

松林の中を海岸ぎりぎりに走っていた当時の写真は数枚しかありませんが、図と対比する予定です。
Nゲージのジオラマは素晴らしいと思います。
自転車道になった軌道の跡が、滝から柴垣の手前までGoogle地図に残っていますが、
余りにも海岸に近すぎて道路には出来なかったのでしょう。
よくぞ、こんな海岸べりを列車が走ったものです。

esehoku さんのコメント...

katsu様
画像3枚目、夏の強い日差しと砂埃の匂い、気動車のエンジン音やオイルの匂いが伝わってくるようです。
今回も、懐かしくも大好きな北陸鉄道の話をありがとうございます。

代打・山本様
相変わらずの博識ぶりに本当に驚きます。
北陸鉄道ジオラマは私もいつかはやってみたいです。いい雰囲気に仕上げたいですよね。

katsu さんのコメント...

esehokuさん
次は能登線の海岸線をアップします。
能登線の変った車両が能登の海岸線を走るジオラマをぜひ作ってみてください。