昭和30年代後半の日本の変貌期は私にとって最も昭和らしさを感じる風景であった。さらに時代を遡ればいくらでも凄い世界があるが私はカメラ普及以前の「手の届かない世界」はとっくに諦めている。昭和の風景とはどの年代をさすかは、見る人の年齢によって様々異なるのでしょう。
昭和38年の富山駅前のこんな風景も私にとって昭和の風景を感じさせてくれる。この頃の路面電車がある街風景は、どこの街でも人々が溢れ背景には薄汚い街並みや看板が写っているのが特徴であった。まだクルマ社会到来前で路面電車や駅前通りに活気が溢れていた。
撮影:田辺多知夫 1963.07.12 富山駅
笹津行き電車と朝の通勤通学客で賑わう「富山駅前」
駅前旅館「月見旅館」が見える「富山駅前」。
写真に見える月見旅館の二階から朝の路面電車を撮ったのは昭和37年だった。
市内線単車と笹津線の高床電車が並らぶ駅前。当時、薄汚いこんな街並みは日本のどこにでもあった。
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