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高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2014年2月27日木曜日

東武鉄道 廃車古典蒸機-2

ピーコック、ネルソン、シャープ・スチュアートなど9両が並べられた廃車古典蒸機中で一際目立って気になったのが32号機であった。ピーコック5500形の完成された美しさとは違って東武のピーコック29~34号はランニングボードとキャブが直線的で四角いベルペア式火室と相俟って無骨なスタイルをしているところに堪らない魅力を感じてしまいます。
図面資料集成「東武鉄道の蒸気機関車」の表紙を飾った図面はこのピーコックではないかと思います。

以下はサイト「明治のSL-3」にあった東武29~34号機の解説です。
1914年東武鉄道は増備機として英国ピーコック社から日本鉄道5600形の同形機を6両輸入しました、東武29~34号機です。ベルペヤ式火室を使用したためボイラの火室が大きくなり、寒冷地対策のため運転席が密閉式、砂箱がボイラの上にあるなど、外観が今までのピーコックと異なりスマートさに欠ける車両で東武鉄道では「新英形」と呼んでいたようです。
29、33号機は1960年(昭和35年)電化のため廃車解体されてしまいました。32号機は1962年(昭和37年)電化のため廃車解体されました。30,31,34号機は1966年(昭和41年)6月30日の東武鉄道無煙化の日まで働きました。

ピーコック東武32号機   1963.11.24
直線的なキャブ回りとランニングボードの曲線そして角ばった火室が特徴

一直線に延びたランニングボード

32号機のテンダー


ピーコック東武32号機

3 件のコメント:

ひもブレーキ さんのコメント...

業平橋近くのそのあたりに廃車体と思われる電車が並んでいたのを見た記憶があります。写真を撮り始めた頃には東武鉄道の蒸気機関車はありませんでした。
ところで、引用された「明治のSL-3」の記述に誤りがありますのでお知らせいたします。この29〜34号機(B3形)は5600形の払い下げではありません。東武鉄道の自社発注です。動輪直径も5600形が1372mm(4フィート6インチ)ですが、東武鉄道の方は1524mm(5フィート)あり異なる機関車です。「図面資料集成 東武鉄道の蒸気機関車」を参照した方が良いと思います。
5600形は冴えないスタイルですが、B3形は力強さを感じさせる台枠の上に載せた幅広いベルペア火室と大きな動輪、真っすぐなランニングボードに魅力を感じています。東武鉄道の蒸気機関車では最も好きな機関車です。
以前、東武鉄道の蒸気機関車リストを作ったことがあり気になりました。

ひもブレーキ さんのコメント...

すいません、「5600形の払い下げ」ではなく「5600形と同形機」と書くべきでした。

katsu さんのコメント...

ひもブレーキさん
ご指摘ありがとうございました。
十分に確認しないまま載せてしまった不安が的中してしまいした。
私は臼井茂信さんの「機関車の系譜図1」からメモを取ってありましたが、ご指摘の通りです。
「機関車の系譜図1」には東武が輸入した最後の5600形同形機はランニングボード先端部分が改善されたことが書いてあり、日本鉄道5600形と東武の5600形同形機の違いが判る写真がありました。
東武の5600形同形機はあの特徴あるスタイルで誰が見ても惚れる人気物だったのですね。