案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2011年5月5日木曜日

井笠鉄道 笠岡

客車を牽く赤い気動車が、民家の軒をかすめるようにして
笠岡の町をぐるっとカーブすると笠岡駅に到着する.
瀬戸内海の港町笠岡は丘陵地が多く平坦な土地は少ない.


笠岡駅構内の赤と緑の軽便.その背後に山並みと真青な空.1967.3.8


軽便の無蓋貨車を撮ったのだが、
その背後に写った映画館の看板や笠岡の町並みについ目が行ってしまう.
笠岡東映の看板を見ると、田宮二郎の「出獄の盃」、陸軍中野学校「竜三号指令」が
上映中のようで、「大魔神逆襲」のノボリも立っている.
腕木式シグナルのあるこの一角は、映画館やホルモン料理の看板などがある裏町風で、
軽便が走る昭和の風景があった。





2 件のコメント:

Cedar さんのコメント...

瀬戸内の町は尾道をはじめ、絵になるところが多いですね。
映画館の前にヤードがあるというロケーションは涙ものです!映画と鉄道は私の好きなものベスト1・2ですから。
いつもながらいいもの見せていただいて感謝感謝でございます。

katsu さんのコメント...

そうでしたねCedarさんは映画が大好き。
私は古い写真を見るといつも看板に目が行きますが、その時代を感じさせる映画の看板が大好きです。
瀬戸内海独特のムードがある笠岡、こんな街の一角の情景から昭和のジオラマ模型を感じてしまいます。

撮ったつもりはなくオマケで写ってくる面白い背景。それは広角気味レンズで幅広く写し込んだネガの隅にあることに気がつきました。私の最近の望遠ズームの乱用とは正反対の世界ですね。