案内文章

高度成長期に突入した1960年代は、地方私鉄の廃線が次々と続いた10年間であった
「終焉の地方私鉄」を全国に追い求め、
空腹と闘った旅で撮り溜めたネガ。
そんなネガを掘り起し、地方私鉄の1960年代
回想してみました。

2012年2月11日土曜日

栃尾線 モハ209

1月29日の「相模鉄道 元小田急1100形」記事からオリンパスペンSで撮った画像を多く掲載しています。
今回も全てオリンパスペンSで撮ったものでハーフサイズカメラはメモ代わりに気楽に撮ったせいか
「こんなものが写っていた」の発見がよくあります。
1964(昭39)年の越後交通栃尾線訪問は天候の悪い一日で、しかも車両が地味な茶一色の時代で画像がパッとしませんが、どれも奇想天外の車両で驚きの軽便でした。栃尾線で最も奇抜な車両はモハ209でしょう。HOナローの模型では人気もののようです。

35mmで撮った栃尾線モハ209が2010年10月の「栃尾線 古典、珍品車両の宝庫」にあります。


下り朝の一番列車  浦瀨  1964.3.22


画像クリックで拡大
モハ209に牽かれたニフ17  加津保 椿沢
手前のモハ209に較べニフの背が極端に低く、このアンバランスさが軽便の楽しいところ.


上見附
電機のようなデッキが付いたモハ209は、1952年の自社製でモーター4個を装着し、前後2軸は定格出力42kWの吊り掛け式、中央寄り2軸は定格出力56kWの床下装架の直角カルダン式と、気動車の
床下エンジンをモータに交換しブロペラシャフトで駆動するような珍しい電車であった。
こんな珍品を自社製造してしまう栃尾線の車両工場が凄い。自前主義で数々の改造車両を生み出してきた車両工場にとってこの程度はお手の物だったのだろう。


モハ209が牽く列車.モハの床下にプロペラシャフトが見える.  上見附
モハ209の出力196kWは電機ED51並みで電機代わりにも使われたようだ。

2 件のコメント:

Cedar さんのコメント...

栃尾線も<間に合わなかった>電車のひとつです。長岡で国鉄の車内から西武色の電車をチラッと見たくらいの記憶しかありません。行こう行こうと思っているうちに消えてしまった電車たちの姿を見せていただき、いつもながら感謝であります。

katsu さんのコメント...

栃尾線は合理化した末期の西武色時代、合理化以前のゲテモノ揃いの茶色時代、どちらも魅力がありました。
沿線の風景は単調でしたが車両改造の歴史や奇抜さの面白さがピカ一でした。
模型ファンには堪らない軽便ですね。