毎年 学生時代の年末休みは地方私鉄を撮りに行くのが常で、1964(S39)年年の瀬の北陸鉄道めぐりはかなりの強行軍であった。メンバーはいつもの3人に高校生1人が参加した4人で、東京発の夜行列車 急行「能登」に乗り北陸へ向かった。
まずは北陸本線沿いに点在する加賀温泉郷の北陸鉄道「加南線」からスタートした。
北陸鉄道「加南線」には下記の4線と連絡線があり、線名と区間がややこしい路線である。
・山中温泉に向かう山中線(大聖寺~山中)1971年廃止。
・山代温泉に向かう山代線(新動橋~河南)1971年廃止。
・片山津温泉に向かう片山津線(動橋~片山津)1965年廃止。
・粟津温泉に向かう粟津線(新粟津~宇和野)1962年廃止。
(区間は連絡線を含めた表示)
この中で粟津線は1962(S37)年に既に廃止され消滅していた。
大変に複雑な路線であり、ホームページ「減速進行」さんの調査路線図をリンクさせて戴きました。
北陸鉄道加南線路線図
最もシンプルな路線が北陸本線の動橋(いぶりばし)から出ていた独立した片山津線であった。
北陸本線動橋のホームに隣接して、片山津線のホームと車庫があった。
加南線では片山津線だけがビューゲルであった。 1964.12.29
動橋で降りた客は隣のバス(行先不明)に乗りこんでいた。バス化が急速に進んだ時代で、片山津線もこの1年後(1965年9月)にバス化されて廃線となった。
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片山津本町 - 合河 八日市川 |
海側に進むと片山津本町の手前で八日市川を渡る。背後に白銀の白山の山並みが見える。
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片山津本町 - 合河 |
この日は朝から雨雲のどんよりした薄暗い1日で、束の間の晴れ間に浮かんだ真っ白な雲。
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片山津本町近辺 |
さらに進むと柴山潟で、電車はその湖畔にある片山津温泉へ向かう。
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片山津 |
片山津の駅は温泉町の家並みの奥まったところにあった。柴山潟ぞいに開けた片山津温泉は大きな温泉町で、街中のあまりにもデラックスなホテルには度肝を抜かれた。まるで熱海や伊東のようなイメージがしたものだった。
温泉町の家並みを行く。 片山津
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片山津駅 |
片山津駅