2010年12月20日月曜日

加賀温泉郷行きの電車 片山津線

毎年 学生時代の年末休みは地方私鉄を撮りに行くのが常で、1964(S39)年年の瀬の北陸鉄道めぐりはかなりの強行軍であった。メンバーはいつもの3人に高校生1人が参加した4人で、東京発の夜行列車 急行「能登」に乗り北陸へ向かった。

まずは北陸本線沿いに点在する加賀温泉郷の北陸鉄道「加南線」からスタートした。
北陸鉄道「加南線」には下記の4線と連絡線があり、線名と区間がややこしい路線である。
・山中温泉に向かう山中線(大聖寺~山中)1971年廃止。
・山代温泉に向かう山代線(新動橋~河南)1971年廃止。
・片山津温泉に向かう片山津線(動橋~片山津)1965年廃止。
・粟津温泉に向かう粟津線(新粟津~宇和野)1962年廃止。
(区間は連絡線を含めた表示)
この中で粟津線は1962(S37)年に既に廃止され消滅していた。

大変に複雑な路線であり、ホームページ「減速進行」さんの調査路線図をリンクさせて戴きました。
北陸鉄道加南線路線図

最もシンプルな路線が北陸本線の動橋(いぶりばし)から出ていた独立した片山津線であった。


北陸本線動橋のホームに隣接して、片山津線のホームと車庫があった。
加南線では片山津線だけがビューゲルであった。  1964.12.29

動橋で降りた客は隣のバス(行先不明)に乗りこんでいた。バス化が急速に進んだ時代で、片山津線もこの1年後(1965年9月)にバス化されて廃線となった。

片山津本町 - 合河 八日市川
海側に進むと片山津本町の手前で八日市川を渡る。背後に白銀の白山の山並みが見える。

片山津本町 - 合河 
この日は朝から雨雲のどんよりした薄暗い1日で、束の間の晴れ間に浮かんだ真っ白な雲。

片山津本町近辺
さらに進むと柴山潟で、電車はその湖畔にある片山津温泉へ向かう。

片山津
片山津の駅は温泉町の家並みの奥まったところにあった。柴山潟ぞいに開けた片山津温泉は大きな温泉町で、街中のあまりにもデラックスなホテルには度肝を抜かれた。まるで熱海や伊東のようなイメージがしたものだった。

温泉町の家並みを行く。   片山津

片山津駅

片山津駅


6 件のコメント:

  1. 懐かしい写真です。一緒に行った高校生も
    今では有名な鉄道写真家として活躍していますね。このときの情景を某鉄道誌に連載されています。
     KATUさんの作品も情景がよくわかって車両のみのアップをしていた当時の自分にむなしさを感じます。青蛙

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  2. 青蛙さん
    毎年、暗くて寒い時期に地方私鉄を撮るのは楽しみより苦痛でしたね。
    年末はコタツでのんびりしていた方が楽なのに、「今撮っておかねば消えてしまう」という想いに駆り立てられたものです。
    撮ってしまえば安心で、すぐ次の廃線予定の訪問で頭が一杯の時代でした。皆さん北陸鉄道の成果を見る余裕も無かったと思います。
    当時高校生だった彼の作品はすでに我々とは捉え方が違っていたことでしょう。

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  3. 北陸のこの辺り、私は全く間に合っていませんでした!残念至極です。
    片山津駅の情景、泣けます!
    いいなあ、地方私鉄。

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  4. Cedarさん
    こちらこそ泣けるコメントをありがとうございました。
    この時代の地方私鉄の魅力を共有して戴ければ何よりの喜びです。
    北陸加南線はややこしく最も整理が進んでいない線でした。今回アップして私自身も始めて見るものばかりです。

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  5. 私が小学生の低学年の頃まであったこの電車、少しだけ覚えています。なんとか映像で当時を見てみたいと思っていたところ、このページを発見しました。いや~何とも懐かしくうれしいです。片山津の駅の写真はないでしょうか。

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  6. タムタムタイムさん
    コメントありがとうございました。
    残念ながら片山津の駅舎などは撮ってありませんでした。この駅だけ撮ってないようで惜しいことしました。
    片山津駅のホームに近づいて撮ったものがありましたので2点ばかり追加してみました。

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