2011年5月11日水曜日

廃線間際の九十九里鉄道 4

のんびりと上総片貝へ向かうキハ104の運転室.速度は自転車を速くこぐ程度か.
鼻先に収めたエンジンによる後輪駆動で客貨車を4両も牽く. 1961年2月

終点上総片貝に到着すると車庫脇のターンテーブルに乗って、
運転手と車掌さんの人力による方向転換はこの鉄道の名物光景であった.

鉄道ピクトリアル「私鉄車両めぐり第1分冊」に紹介された「午前10時の終点」は
昭和34年の夏にここで撮影されたものであった.
車庫にはキハ102が休み、右に分岐した線路は洗濯物があるターンテーブルへ向かう.
こんな上総片貝の光景も、数日後の廃線で消滅してしまった.

東金行の列車はケハ111+ケハ107の前後にボギー貨車を加えた編成となった.上総片貝駅


この日のもう1本の編成は、キハ103が牽くケハフ301+ハニフ105で、
踏切を通過しハニフ106の脇を走って上総片貝駅に到着する.

東金駅の留置されたボギー貨車ケワ52は最後の日まで活躍した.
廃線後もこの場所に留置されたケワ52と50は、
14年後もその形を保っていて採寸ができた.


撮影: 全点 飯島巌氏

3 件のコメント:

  1. 貴重な記録ですね。
    私が廃線跡を見て歩いた頃は既に東金駅の廃車体もなく、寂しい状況でした。
    上総片貝駅の駅跡にも何も無かったですが、頭の中で想像してた光景をこうして拝める事に感謝です。

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  2. 大変貴重な記録ですね。
    私が廃線跡を訪れた頃はもう東金駅跡に廃車体もなく、寂しいもんでした。
    上総片貝駅の場所もやたら広い敷地が広がっていましたが、こうやって当時の写真を拝めるのに感謝です。

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  3. Kumaさんも廃線跡に行かれましたか。
    私が廃線跡を訪問したのは廃線の14年後で、東金駅跡にかろうじて貨車が残り、他に単端やボギー客車の解体残骸があり、それらをかたずけトラックへ積込んでいる時でした。
    解体された残骸にコンベックスを当て寸法を測っていたおかしな私でした。
    片貝の駅跡では草むらに客車の台車を見つけ歓喜しましたが、九十九里鉄道は残骸でもとても貴重に感じたものです。

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